株式会社資生堂 久喜工場

 
株式会社資生堂 久喜工場では管理部総務・人事グループに所属するかたちで看護師の方が常駐されています。健康管理室など産業保健に力を入れている企業で働く看護師の方にEAPの取り組み、産業医との連携などについてお話しを伺いました。

    <導入内容>
    ・社員様向け訪問カウンセリング
    (面談カウンセリング、研修、報告会)

インタビュー実施日:2015年4月13日
 
Q ご入社されたときには、弊社の訪問カウンセリングサービスは導入されていた、とのことでしたが。
A 私が担当して今年で7年目です。もともと産業の場にカウンセリングは必要なものだという認識はありました。 担当のカウンセラーの方も優しくて、相談に乗りつつビシッと言ってくれるので頼りにしています。
 
Q 社内のカウンセリングの周知・認知度についてどう感じていらっしゃいますか?
A 定期的に社内広報誌などでカウンセラーの存在を周知しています。各階の休憩室に「カウンセリングのご案内」 というものを担当カウンセラーの顔写真付きで置いてあるため、それを見て来てくれる人がいますね。
Q 工場常勤の看護師として、普段どのようなことをされているか教えて頂けますか?
A メインは健康診断の実施と事後指導です。それ以外は、健康増進活動ですね。 場内にダイエット部を立ち上げて「みんなでダイエットしてみよう」などの活動もしています。
Q 産業医の先生との連携について教えてください。
A 当工場では週2日産業医が面談を実施しています。健診結果の事後指導や休職者面談、健康上の相談などが多いです。 そのため産業医の面談予定も結構埋まっています。 社員の中には産業医に相談したいと言う人もいれば、漠然とした不安を抱えているけれど、それをうまく説明できないというケースもあります。 そのなかで、HNのカウンセラーのところにきた社員を産業医にリファーするケースもあります。
Q 業務上の配慮が必要なケースは産業医との連携が必要ですね。
A そうですね。その辺りの連絡調整が私の仕事だと思っています。
Q 普段から従業員の皆様に対して気をつけていることはありますか?
A なるべく顔を見るようにしています。社内ですれ違う時など顔をみて通る人に挨拶しています。 また場内をパトロールすることもあり、普段の顔を見るように心がけています。普段どんな様子なのかを把握しておくことで、 異変のサインには敏感に対応できると考えています。
Q 「顔色悪いね」など声をかけることもあるということですか?
A それほど頻繁ではありませんが、なるべく声は掛けるようにしています。
Q パトロール、とおっしゃっていましたが、皆様の反応はどのような感じですか?
A 衛生管理者を兼任しているので、週1回職場巡視しています。巡視していると少なくとも2人くらいは声を掛けてくれます。 健康管理室を利用するまでではないけれど、私を見かけた際にちょっと捕まえて聞きたい、というような人はいるようです。 そういう人が声をかけやすいようにするためにまわっています。しかし従業員の人数も多く手が回らないこともあり、 残念ながら気づいたときには体調を崩してしまっていたというケースも多くありますね。
Q そういう方を積極的にカウンセリングに繋げていることが多いでしょうか?
A そうですね。産業医が早いかカウンセラーが早いか、状況によりチェックしています。
Q 産業医の先生が週2日訪問されるのは手厚い対応だと思います。さらに弊社のカウンセラーもいて良かったと思うことはありますか?
A 良かったと思っています。当社の産業医はメンタルヘルスに積極的に関わってくれていますが、精神科医ではありませんし、 カウンセラーに話を聞いてもらったらいいよ、と産業医から勧めることもあります。 産業医もHNのカウンセラーを心の専門家として連携したいと考えています。
Q 会社によっては従業員の方がカウンセリングを利用するのに自発的に手が挙がりにくいところもあります。 企業がどうやってEAPを活用していけばいいか、何か活用していくためのポイントはありますか?
A カウンセリングを活用していく方法として、管理職の方に一回体験でカウンセリング受けてもらうといいと思います。 管理職がカウンセリングはこういうものかと理解すれば、部下に勧めやすくなる。 するとその部下の周りにもその認識が拡がっていくこともあると思います。 最近もHNのカウンセラーに面談してもらったらスッキリした、また予約を取りたいといってくれた人がいました。
Q 口コミで拡がることもあるのですね。
A そうですね。工場はみんなで作業をしてみんなで食事をしているのでそのような話も出やすいみたいです。
Q 初めての方は面談を受けることさえも不安を感じるかもしれませんが、敷居を下げるために気をつけていることはありますか?
A 社内広報誌に体験カウンセリングの募集を掲載しています。あと、入社時の健康診断の結果に案内を載せるとか。 また、労働衛生週間に簡単なメンタルチェックしていて、その結果報告の際に"ネガティブに悩んでいます、という方だけでなく、 前向きに取り組むために心の中を整理してみたいという方も大歓迎です"というようなコメントをつけると反応が違いますね。 部下に接する方法を考えてみたいと言う人もいて、そのようにコンサル的な利用も増えたらさらにいいと思います。
Q 自発的に相談に来られる方が基本的には多いでしょうか。
A そうですね。愚痴をこぼして、冷静に自分をみつめて、前向きな気持ちになりたくて…というような利用も多いです。
Q 産業医やカウンセラーとも連携取られているし、従業員の方にとってもオープンに感じられているのではないでしょうか。
A それでもまだ敷居が高い気もしています。とりあえず私のところにきてそれで繋ぐということが多いのですが、 カウンセリングは病気の人だけが行くところだと思っている人も多いようです。
Q それは他の企業様でも課題のひとつであるようです。
A それを下げる努力として、こちらでは入社してすぐに体験カウンセリングをしています。 1年後、また話してみたいというケースもでてきます。入社してすぐに戸惑いあるのは当然。 そこをサポートしてうまく慣れてくれるといいと思っています。
Q 資生堂久喜工場ならではのメンタルヘルス対策はありますか?
A メンタルチェックを衛生週間に実施しています。 以前はメンタルチェックの回答は返信させず、気になることがあったら来てくださいという体制でした。 そうすると2〜3人来ましたね。異動対象者にはメンタルチェックにコメントを作成して戻すということもしました。 HNのカウンセラーの方にもアドバイスをもらい、回収したものを集計し、労働安全衛生委員会で報告をしました。 全部自分で抱えながらやっていると自分が倒れてしまいそうなので、HNのカウンセラーに相談できて良かったです。 他社の方にも臨床心理士など専門家にアドバイスしてもらえるのは良いと伝えたいです。 今年12月よりストレスチェックが始まりますが、専門家と協力しながら行えるといいでしょうね。
Q メンタル疾患の傾向などはありますか?
A カウンセラーの方がおっしゃっていましたが、工場では食事をとる場所が限られるため、慣れない人がいても1人で食事できる環境が無いことから悩みを持つ人もいるようです。 そして距離が近いせいか対人関係で問題があったときは辛い面もあるようです。人間関係が密な分、助け合える面もあれば、立ち入りすぎてしまうこともあるようです。
Q HNの訪問カウンセリングは月に2回ですが、バランス的にはいかがでしょうか。
A 立て込む時はカウンセラーの方に残業をお願いすることもありましたが、月2回は良いバランスだと思います。
Q 繰り返し利用する人も多いのでしょうか?
A そうですね。そんなに回数の多い人はいませんが、1回だけの人も数回の人もどちらもいます。
Q 外部のカウンセラーが来ることで相談しやすいということもありますか?
A はい。内部の人には相談しにくい、言いづらいこともあるでしょう。こんなことを相談したら恥ずかしいと思うこともありますからね。
Q 新卒社員も毎年5月に健康診断ですか?
A 健康診断とHNの体験カウンセリングを実施予定です。 また養護学校の卒業生の採用にも積極的な工場です。その際にも体験カウンセリングを必須としていきたいと考えています。 障害者雇用はこれからどの企業も積極的に進めなければいけませんし、体制を整える準備が必要だと思います。
Q 弊社は数年前に御社で研修もさせて頂きましたがいかがでしたか。
A 管理職研修をしました。 カウンセラーの方から共通した認識を持った方がいいだろうという話が出たことから実施に至りました。 具体的な事例を多くご紹介頂き、大変勉強になったと聞いています。そのことでEAPの知名度もあがり、 研修後に「体験カウンセリングできるんだよね?」と私のところに管理職が来て、部下のカウンセリングを依頼されました。
Q その他、研修を実施し、社員の意識も変わったなと思うことはありますか?
A メンタルヘルスの言葉が普通に使われるようになってきた気がします。以前は知られていませんでしたが、HNのカウンセラーが定期的に訪問カウンセリングされてからずいぶんと変わったようです。 工場として、「みんなでメンタルヘルスやっていこう」という共通認識があります。
Q 御社は早めに対策を始められていますが、企業によっては今から急いで対策をしなければ、という感じがあるかもしれません。
A まず人事の方が休務中の人にどう接するか臨床心理士に相談できるのがいいと思います。なかなか難しい部分ではあるので。
Q これからメンタルヘルスケアの部分で目標や課題がありますか。
A やっぱり休務者をゼロにしたい。そのために何をするべきか考えています。どこの企業でもメンタル・発達障害・知的障害などの対応に苦慮していると思います。 私はたまたま看護師ですが、人事や総務が担当者になることが多いと思います。臨床心理士に相談しながら行っていくのはとても有効だと感じています。
Q 休務者ゼロ、という目標ですが、今後具体的に実践していきたいことはありますか?
A 具体的に申し上げるのはなかなか難しいですが、コミュニケーションがもっとうまくとれる環境を目指していきたいと思っています。 実際に部門ごとに自主的に部署で取り上げてやっているところもあるようです。ハラスメントにも取り組んでいて、衛生面の取り組みの中で、 ハラスメントについての項目も増やさないかと相談されたりもします。このような活動が増えていけばいいかなと思っています。 具体的にどうするかまたHNのカウンセラーに相談していきたいです。
Q 弊社としても、できるかぎりお手伝いさせて頂きます。最後に、今後HNに期待すること、もっとこうして欲しいことなどはありますか?
A 定期的に報告に来て頂いており、具体的な数字も出して頂き助かっています。 社内の私たちが直接介入するのではなく、ワンクッション入ってくれていることで社内でも取り組みやすくなっています。 今後ともよろしくお願いします。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。